NHK土曜ドラマ『ひとりでしにたい』第2話レビュー(ネタバレあり)

筆者は常日頃から「終活は早すぎることはない」「気になった今が始めどき」と訴え続けても、なかなかそれが浸透しないもどかしさを感じていました。それが、NHK土曜ドラマで綾瀬はるかさんを主演にしてコミカルに伝えて貰うと、こんなにも多くの人の心に刺さるんだ……と、実感させられています。
第2話では、現在39歳の鳴海が「自分の終活の前に、まずは親の終活だ!」と気づきます。そこで、39歳の鳴海の視点で、団塊の世代の親の終活のリアルが描かれました。その中で、サラリーマンとして家計を支えてきた一方で、家のことはすべて妻に任せてきた典型的な「昭和のお父さん」の本音があらわになりました。
「どうせ、お母さんより俺の方が先に死ぬ」。これは、ご夫婦の間で頻繁に聞く夫側の発言です。さらに、夫婦は歳が近いのだから、どちらが先かなんて分からないと伝えると、今度は「独身の娘がいるんだから娘が同居すればいい」「娘の仕事なんて、どうせたいしたことはやってない」と、NGワードの大連発。ここで鳴海は反発することができましたが、父親にそう言われて、仕事を辞めて父親と同居し、面倒を見るのが親孝行だと考えてしまう人もいることでしょう。いろいろな考え方があってよいのですが、介護が必要になった親と、親の介護のために仕事を辞めた子どもとの同居は、経済的にも肉体的にも精神的にもラクになることはない、というのが現実では多いようです。
次回の第3話では、父親と母親との間で「熟年離婚」の問題が勃発するようですね。退職して夫婦二人で過ごす時間が長くなるからこそ、夫婦間の価値観の擦り合わせをしておかなければ、今後どんどん訪れる「人生の幕引きに向けたイベント」に、二人で同じ思いで立ち向かっていくことは不可能です。
もう一つ、第2話で印象に残ったのは、このドラマのナビゲーター役とも思われる鳴海の同僚の那須田が、孤独死しやすい傾向にある人の特徴として、①情報弱者②プライドが高い③助けてと言えない、という3つを挙げていたことです。決して「頼れる身寄りがいる・いないが問題ではない」ところに、とても共感しました。
まずは、しっかりと理解できる早い時期から知識を得ておくこと。次に、人間は誰もが自分一人ではその人生を完結させることはできず、必ず誰かの手を借りなければならないことを自覚することです。そして3つめは、不安に思ったとき、押しつぶされそうになったときに、助けを求める行動を起こせるようにしておくことです。
鳴海の伯母さんはプライドが高かった故に、助けを求めることができなかったのでしょう。もし、鳴海家族に助けを求められなくても「家族の役割をビジネスとして担う事業者に依頼する方法」を知っていれば、また違っていたかもしれません。