COLUMNコラム

死亡届は誰が出す?(1)

死亡届を誰が出してくれるのか、考えたことはありますか?

 

葬儀社が出してくれるはずと頭に浮かんだ方も多いと思います。確かに、実際に死亡届を市区町村役場に提出してくれるのは、葬儀社が葬儀を受託する際のサービスの一環で行ってくれることかほとんどてす。

しかし、葬儀社は単に使者として提出してくれるに過ぎず、死亡届に届出人として名前を書ける資格者は、戸籍法で厳格に規定されています。

 

第八十七条 次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。

第一 同居の親族

第二 その他の同居者

第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人

2 死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び任意後見受任者も、これをすることができる。

 

この規定において、第1項は「義務規定」、第2項は「できる(権利)規定」と呼ばれています。近年、家族のあり方の多様化により、現行の戸籍法の規定でカバーしきれないケースが数多く発生しています。具体的には、頼れる家族のいないひとり暮らしで、後見人等が選任されていない、任意後見契約も締結していない状況で、持ち家で亡くなったケースです。

 

死亡届が提出されなければ、市区町村役場で死亡届の受理と引換えに発行されるはずの火葬埋葬許可証が発行されず、つまりは火葬をすることができません。そこで、亡くなった後の葬儀や火葬を含む死後の事務手続きを専門家に委任していたとしても、戸籍法上の死亡届出人に該当する人がいなければ、依頼していた死後の事務に着手してもらうことすらできないのです。

頼れる家族がいないひとり暮らしだったとしても、亡くなった場所が病院であれば、第1項第3号「家屋の管理人」の立場で、病院長が死亡届の届出人となります。有料老人ホーム等の高齢者施設だったらどうでしょう?近年は「看取り介護」といって、自然に任せる形で高齢者施設で息を引き取る高齢者も増えてきています。その場合も、第1項第3号「家屋の管理人」として、高齢者施設の施設長が死亡届の届出義務者となります。

 

このたび、OAGウェルビーR代表とともに一般社団法人全国高齢者等終身サポート事業者協会の代表をつとめる黒澤が、半年にわたり法務省と打ち合わせ、私立病院の病院長、高齢者施設の施設長に加えて、高齢者等終身サポート事業者の代表者も、戸籍法第87条第1項第3号「家屋の管理人」と認められるとする解釈拡大の事務連絡が、法務省から全国の市区町村窓口に対して発出されるに至りました。

これにより、いざというときに頼れる家族のいないひとり暮らしの方でも、要件を満たしたサービスを提供することができる高齢者等終身サポート事業者と契約しておけば、死亡届を確実にしてもらうことができるようになります。

 

次回は、今回の戸籍法における「家屋の管理人」の解釈拡大における注意点や、課題についてお伝えいたします。

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